住居環境をより良くするために、リフォームを検討する方は多くいるでしょう。しかし、家全体のリフォームとなると、時間もお金もたくさんかかってしまいます。そこで、住生活のグレードアップの一つとして、比較的手軽にでき効果が出やすい窓のリフォームを検討してみてはいかがでしょうか。今回の記事では、窓のリフォームの種類や概要を紹介します。
窓の交換
窓のリフォームでまず考えられるのは、窓そのものの交換です。窓の交換にはいくつかの種類があるので紹介します。
枠ごと交換
窓の交換で枠ごと交換する方法があります。この方法では、既存の窓枠を撤去し、新しい枠から作り直します。枠ごと交換する場合、窓枠周りの壁を削って行うので、「はつり工法」と呼ばれます。
「はつり工法」では、窓枠周りの壁を削るために、カット位置の算出や実際に壁を削る作業、サッシの入れ替え、壁をモルタルなどで埋めると作業数が多いため、工事に数日かかることもあります。
時間はかかってしまうものの、アルミサッシを樹脂サッシ・木製サッシに変更できるなど、古くなったサッシごと窓を一新できるメリットもあります。また、枠ごと窓を交換することで、断熱性能の向上や、結露防止、防犯性能の向上、日射対策が期待できるので、これらの効果を求める場合は採用を検討してみましょう。
枠を残して窓を交換(カバー工法)
窓の交換には、既存の窓枠を残して、その上に新しいサッシを被せる「カバー工法」があります。従来のはつり工法に比べて費用を抑えることができます。費用面だけでなく、工期が短い、内外感をリフレッシュできるなどのメリットがあります。カバー工法は既存の窓枠に被せるようにして窓を交換するので、壁を削る必要もなく、住みながらその日のうちに工事を完了させることができる点もメリットです。ただし、窓のガラス部分の面積が小さくなるデメリットもあることも覚えておきましょう。
カバー工法では、アルミサッシから樹脂サッシ・アルミ樹脂複合サッシへの交換も可能です。この方法は、断熱性能の向上や防音性能の向上、結露防止、防犯性能の向上、日射対策の目的で採用されます。
ガラスの交換
サッシは残し、ガラスのみを交換する方法で、窓を交換することができます。今あるサッシはそのままに、アタッチメントで窓ガラスのみを交換できるので、1つの窓につき30分~60分程度の施工時間で完了します。また、ガラスのみの交換で、壁を削るなどの大がかりな工事がないため、工賃も安く済むのがメリットです。
ただし、窓ガラスのみ交換するため、サッシなど他の部分に問題があると、リフォームをしようと考えた部分の問題解決にならない場合があります。例えば、断熱にならず、結露が発生してしまう、音漏れなどが考えられます。
二重窓(インナーサッシ)
二重窓は、既存の窓をそのままにして内側にもう一つ窓サッシを取り付ける方法です。インナーサッシや二重サッシとも呼ばれており、窓だけでなく窓サッシ自体が二重になります。複層ガラスと間違えやすいのですが、複層ガラスはガラスだけが二重になるものなので、全く違うものです。
二重窓にすると、窓と窓の間に空気層が生まれ、断熱材の役割を果たします。そのため、断熱性能の向上や防音性能の向上、結露防止、防犯性能の向上を目的として採用されます。
二重窓は取り入れることで、さまざまなメリットを得られますが、窓の開閉が手間になる、掃除が大変などのデメリットがあります。また、窓によっては設置が不可能な場合があるので、設置を検討している窓が二重窓にできるかどうか確認する必要があります。
シャッター・雨戸取付
窓のリフォームの中にはシャッターや雨戸などを外付けする工事があります。ここでは、どのような工事なのか紹介します。
外付けシャッター
外付けシャッターはその名のとおり、窓の外側にシャッターを取り付ける方法です。窓の外からシャッターを取り付けるだけなので、簡単な施工で高い防犯性と防災性、遮光性を得ることができます。
シャッターを付けることで得られるメリットもありますが、見た目に圧迫感が出てしまう、使わなくなる可能性があるなどのデメリットもあります。
雨戸
雨戸はシャッターと似ていますが、開閉する方向に大きな違いがあります。シャッターは上下に開閉して使用する一方、雨戸は左右開閉式の引き戸やアコーディオンを雨戸と呼ぶことが多いです。
雨戸は開閉時にガタガタと音が鳴ってしまうなどのデメリットがあるものの、高い遮光性や断熱効果、施工費用が安価であるなどメリットも多くあります。
雨戸もシャッター同様に、窓の外側に取り付けるだけの簡単な工事で設置可能です。
ルーバー
ルーバーとは、細長い羽板を隙間をあけて平行に並べたものです。鎧戸やガラリとも呼ばれています。ルーバーは主に日よけや雨よけ、通風、換気、目隠しを目的に取り付けられます。
シャッターや雨戸は隙間がないため、閉めたままでは部屋が暗くなってしまいます。一方ルーバーは隙間をあけた羽板を平行に並べたものであるため、採光性・通風性があります。隙間がある形状なので、防犯性はそれほど高くない、掃除が大変というデメリットもあります。
窓用フィルム・シート
現在では壁を削るなどの大がかりな工事なしに窓をリフォームする方法もありますが、フィルムやシートを貼るといったより手軽な窓リフォームの方法もあります。
フィルムやシートにはそれぞれ種類や用途があります。
飛散防止フィルム…防犯対策、災害対策
断熱フィルム…断熱対策
遮光フィルム…日射対策
目隠しシート…目隠し対策
用途や種類も多く、装飾性も高い、導入コストが比較的安価などメリットが多くあるのが窓用フィルム・シートでのリフォームです。DIYで導入することもできるので、気軽さはリフォームの中でも随一です。ただし、断熱に関しては大きな効果は感じられないので、断熱効果を求める場合は他の方法を選択するのがおすすめです。
省エネリフォームの補助金を活用
窓のリフォームに関しては、断熱目的の省エネリフォームとして国の「断熱リフォーム支援事業」があり、その他にも各自治体の補助金・助成金があります。不定期で制度が開始されますので、リフォームを検討する際は調べてみると良いでしょう。「令和4年度 次世代省エネ建材の実証支援事業」では以下のような補助があります。
補助率 補助対象経費の1/2以内
補助金の上限額 150万円(※外窓と任意製品を併用して改修する場合は200万円)
公募期間:2022年10月31日(月)~2022年11月30日(水)
出典:次世代省エネ建材の実証事業
https://sii.or.jp/meti_material04/overview.html
「【全国対象】既存住宅における断熱リフォーム支援事業」では以下のような補助があります。
補助対象製品 高性能建材(ガラス・窓・断熱材・玄関ドア・LED照明)
補助率 補助対象経費の1/3以内
補助金の上限額 120万円(戸建て住宅)
公募期間 2022年9月12日~12月9日
出典:既存住宅における断熱リフォーム支援事業 公募要領
http://www.heco-hojo.jp/yR03/danref/doc/danref_kohbo_2022_3rd.pdf
(参考)
まとめ
窓のリフォームには、シートやフィルムを貼るだけの簡単なものから、壁を削る工事をともなうものまで幅広くあります。それぞれにメリットデメリットがあり、得られる効果にも違いがあります。そのため、窓のリフォームは断熱性を上げたい、遮光性を上げたいなど目的をはっきりさせることが重要です。希望通りの仕上がりにするためにも、目的に沿ったリフォーム種類を選びましょう。
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